目次
- 1日目から3日目は安静(ぎっくり腰の運動リハビリ初期)
- 動くだけで痛いので基本的に安静
- ぎっくり腰での運動開始は3日目から
- 4日目から7日目(ぎっくり腰の運動のリハビリ中期)
- 4日目からの運動「四つんばい運動」
- 5日目からの運動「座ってできる体操」
- 6日目から、家の中を歩行できるならする
- 7日目からの運動(家でできる少しハードなトレーニング)
- 8日目から14日目(ぎっくり腰の運動リハビリ後期)
- 外でゆっくり歩くことから始める
- 雨の日は家で階段昇降をする
- 12日目からインナーマッスルを鍛える運動方法
- 15日目以降の運動(最終リハビリ期)
- 普段の生活をしていく
- 普段の生活で痛みがなくなればジョギングから
- 全力でランニングしていい時期
- プールはジョギングができると同時に始める
- 筋トレは最後の最後
- まとめ
ぎっくり腰のときに運動すればいいとテレビなどで聞いたりしますが、ぎっくり腰になったとき、いつからどんな運動、リハビリをすればよくなっていくのかわかりません
ぎっくり腰のとき、決まった期間に運動を実施していくと回復速度が早くなり、日常生活に復帰しやすくなります。
千葉県八千代市の整体師がいつからどんな運動をしていけば、ぎっくり腰が改善していくのか、いちから順番に詳しく解説していきます。
1日目から3日目は安静(ぎっくり腰の運動リハビリ初期)
まずギックリ腰の1日目から3日目のときどんな運動をしていけばいいのか。解説していきます。
動くだけで痛いので基本的に安静
1日目から2日目の48時間は何もしないことをお勧めします。そもそも動くと痛いくて動けないと思います。そのため横向きになり安静に寝ておくことが一番早く良くなる方法です。
ここで無理して動いてしまうと1週間から2週間で痛みが取れて運動できるからだになるものが、1ヶ月、2ヶ月と伸びるようになってしまいますので、焦らずゆっくりすることをしてください。
ぎっくり腰での運動開始は3日目から
3日目あたりから寝返りをうつのもマシになってきます。このような状況になったらぎっくり腰での運動開始をしてもいい合図です。運動方法はいたって簡単な、寝たままできる軽いストレッチをしていきます。
・1つ目は呼吸
寝ながらでもできる最初の運動は呼吸です。特に深呼吸をすると下の画像のように肋骨が膨らんだり、閉じたりします。
ここでよく見て頂きたいのが、青い○の部分です。肋骨は背骨にもくっついているのを確認できます。
肋骨を動かすことで、同時に背骨も動いて全身運動になります。背骨にも人体の無数の筋肉が付着しているので自動的に動かしてくれるようになるということです。この時点で全身の運動をしていると筋力の低下を防げます
それでは、なぜこんな時期に筋肉を動かさないといけないのでしょうか。
それは、筋肉を動かさないと1日で筋力が低下してしまうからです。痛めている部分は安静にすることが一番ですが、ほかの部分は正常です。正常の部分の筋肉も落ちてしまうと、立つとき・歩くときに異変を生じます。そうなると、回復が遅れます。
一方、筋力が低下してない体だと立つことも早くなりますし、歩くことも早くできるようになるので、なるべく肋骨を動かす深呼吸をしておくようにしてください。
方法は、鼻から5秒息を吸い込みます。口を口笛を吹くように細くして7秒かけて吐き出してください。このときお腹の深いところがキュッとなれば正解です。この運動(吸って吐いて)は1時間に5回で十分です。
・2つ目は足首を動かす
次に、足首を大きく動かす運動をしていきます。足首を動かすことによってふくらはぎの筋肉が動きだし、その上の太ももの筋肉も連動、さらにお尻の筋肉も連動して動くので筋力低下を防いでくれます。
さらに、下半身の血液循環もできるので血栓防止にもなります。血栓とは、エコノミー症候群などで頻繁に起こる「同じ姿勢をしていると血の塊が肺に入ってしまい詰まってしまう病気」です。なるべく3日目からは足首を動かす運動をどんどんしてください。
4日目から7日目(ぎっくり腰の運動のリハビリ中期)
少し動けるようになってくるこの時期はぎっくり腰のリハビリ期間の中でも早期回復ができるのか、それともぶり返してしまうのか大事なポイントになってきます。その時期にでもできる運動を詳しく説明し、運動方法をお伝えしていきます。
4日目からの運動「四つんばい運動」
・立つための準備をする体操
ぎっくり腰になると立つことすらままならなくなります。そこで、まずは立つ準備をする体操をしていきます。この体操では背中の筋肉が伸びたり縮んだりすることを意識してやってください。
方法は下記の通りになります。
両手と両足を肩幅に開いてください。赤い線のように首と背中をできるだけ丸めるようにしてください。ポイントは目線をおへそに向けて、背中が青い線の方向に引っ張られるイメージでするとやりやすいです。
足の幅と手の幅は変えないで、赤い線のように反っていくようにしてください。ここでのポイントは青い線の方向にお腹が引っ張られるようにイメージするとやりやすいです。
回数は、1セット5回を朝昼晩と三回してください。
5日目からの運動「座ってできる体操」
四つん這いで立つことができるようになれば、今度は座ってできる運動をしていきます。この運動では股関節を動かすことを目的としています。股関節が柔らかくなると、骨盤周りの筋肉も動き出してぎっくり腰の回復を助けてくれるからです。
このとき座るといっても、柔らかく沈んでしまうソファーや椅子には座らないようにしましょう。体が沈んでしまうと起き上がるときに無理な力が入ってしまい、悪化してしまう恐れがあるからです。そこで、小学校や中学校のときに座っていたような硬めの椅子に座ることをお勧めします。
方法は下記の通りになります。
深めに座ります。このとき足が地面にしっかりと設置していることを確認してください。赤い線のように背中がまっすぐなるように座ってください。このとき青い矢印の方向におへそを引っ張られるイメージで座わると骨盤が立ってくれるので座りやすいです。
手でしっかり椅子を持ち、太ももを真上にあげるようにしてださい。このとき膝を青い矢印の方向にあげるイメージですると腰に負担なくできます。
反対も一緒になります。手でしっかり椅子を掴んで右足の膝を真上に引っ張られるイメージであげてください。あげるとき反対の左足を地面の方に踏み込むとさらにあげやすくできます。
この運動は同じ姿勢をキープするのではなく、トントントントンとリズミカルにしてください。回数は朝、昼、晩と一日三回やってください。回数は一回につき10回を目安にしてもらえるといいです。
ここでも運動後必ず20分のアイシングを行うと、炎症部分の腫れが引くのでオススメします。
6日目から、家の中を歩行できるならする
6日目になると、もう家の中を歩行できる状態に近いので、なるべく歩くようにしてください。何か物をつかんでもいいですし、家の中で杖代わりになる傘をつきながら歩くのもいいでしょう。
廊下などがある場合は一往復でもいいです。ない場合はリビングを少し歩いてみてください。
7日目からの運動(家でできる少しハードなトレーニング)
ぎっくり腰になり1週間が過ぎますが、万全を期すならばまだ外での運動は避ける時期です。理由は外にでると無理してしまい、また症状が悪化してしまうので外に出ないで家の中でできる少しハードなトレーニングを開始していきましょう。
・サザエさん体操(股関節を動かす)
この体操は股関節の柔軟性を出すものです。腰の動きが回復するのと合わせて股関節の動きが柔らかくなれば、腰回りについている筋肉と関節も滑らかに動くようになり、ぎっくり腰が回復しやすくなります。
方法は以下の通りになります。
肩幅に足を広げて大きなボールを持っているイメージ両手を上にあげます。このとき黄色い線のように自分で壁を作って筒に入っているイメージをしてください。
両腕はそのままキープして左の黄色い壁に向かってヘソを動かしていき、左の股関節に体重が乗っていることを確認してから8秒間キープしてください。
次は反対側にヘソを動かしていき、右の股関節に体重が乗っていることを確認してから8秒間キープしてください。この股関節の体操の回数は5回を2セットで朝、昼、晩やってください。
※注意点:この時期はまだ油断は禁物なので、運動後、熱を取るために20分間患部のアイシングをすることをおすすめします。熱を取ることで患部の腫れがなくなり、翌日のだるさ、痛み具合も変わってきます。
また、痛いと思った運動は即中止してください。ここで無理をしてしまうと長引いてしまう恐れがあります。
8日目から14日目(ぎっくり腰の運動リハビリ後期)
いよいよ後期に突入です。ここまでくればぎっくり腰へは戻りにくくなっています。しかし油断は禁物なので、焦らずゆっくり治していける運動を紹介していきます。この時期の運動はなるべく毎日続けていくようにしてください。この時期の運動でぎっくり腰を回復させるのと同時に予防をする運動になるからです。
外でゆっくり歩くことから始める
歩くといっても「いきなり全力で歩いていいのか?」など疑問があると思います。
歩き方は、小股でなるべくつま先から着地させるイメージで歩いてください。よく踵から着地したほうがいいと聞くことが多いですが、これは間違いです。踵から着地することによって、一歩一歩体にブレーキをかけて歩いてしまっているので体への負担が大きくなります。
一方、つま先から着地するイメージで歩くと体にブレーキかけることなくスムーズに歩けるので腰に衝撃がこなくなり、痛みがぶり返しにくい歩き方になります。できればなるべくつま先から歩くようなイメージをして歩いてみてください。
歩くスピードは、ゆっくりを心がけてください。目安とするスピードは幼稚園児と歩くようなスピードです。普段歩いて5分かかるところなら、倍の10分ぐらいのスピードで歩くようにしてください。
歩く場所は、できれば土の道が一番おすすめです。土は衝撃を吸収してくれて体への負担を最小限にしてくれるからです。
歩く時間は、長く歩けば歩くだけいいとうわけではないので、まずは10分からにしてください。まずは続けることが大事です。飽きないように物足りないぐらいで終わることを心がけてください。
靴はスニーカーがあれば、スニーカーで歩くようにしましょう。もしなければいつも履いている靴でいいですが、スリッパや革靴などは極力控えるようにしてください。
歩く前の体操ですがストレッチは厳禁です。運動前のストレッチは筋肉を弛ませてしまい、怪我を起こす原因になりますのでやめてください。足首を回すぐらいの簡単な自分でできる運動だけしましょう。
注意:ジムに通っている人はなるべくジムに行かないで、家の周りなどを歩くようにします。ジム機械で歩くと、止まりたいときにすぐに止まれません。ベルトが停まるまで待たないと止まれないので危険です。無理して痛めてしまうことが多々あるため、もう少ししてからいくようにしてください。
雨の日は家で階段昇降をする
雨など家を出れないとき、家の中で踏み台昇降をするようにしてくさい。段差は歩いているときと同じような刺激が体に伝わるので歩行の代わりの運動になります。
方法は下記の通りになります。
写真のようにバランスを崩してもすぐに壁に手を置ける場所でしてください。この体操のポイントはゆっくりすることです。早く動くことが目的ではなくしっかり動ける体を作ることが目的だとイメージして焦らずしてください。
このように段差が出せるものが家になければ、本(辞典)や週刊誌(ファッション誌)などを重ねても大丈夫です。それも踏むのが作った人に申し訳ないと思うのであれば、ダンボールでも新聞紙でも問題ないです。家のちょっとした段差でも大丈夫です。
12日目からインナーマッスルを鍛える運動方法
12日目あたりは痛みが軽減してくる頃です。
この時からインナーマッスル(体の骨の近くの筋肉)を動かしておくことで再発防止に大きく関わってきます。
特に骨盤周りのお尻の筋肉を動かして可動域を広げているとぎっくり腰になりにくい骨盤の位置になるのでお勧めです。
方法は下記の通りになります。
横向きになり、上になっている足を真上に上げていきます。このとき、黄色線のように足をしっかり伸ばし膝を曲げないで上げていきます。そして45度のところにきたら、足の親指を地面方向に曲げます。このままのポイントで8秒キープしてください。
人によって少しポイントがバラバラなので足を上げたまま足を後ろに引いたり、前に出したりして一番筋肉がグーッとなるポイントを探すようにしてください。
15日目以降の運動(最終リハビリ期)
ここからはリハビリ期の最後の運動方法である、体操、プール、ランニング、トレーニングジムなどについても解説していきます。
普段の生活をしていく
まずは普通に生活圏内の中で歩いていきましょう。「荷物を持って歩く」「電車に乗ってみる」など日常生活でできることをどんどんやりましょう。これが、1番の運動になります。
普段の生活で痛みがなくなればジョギングから
軽いジョギングといっても、早歩きの速度くらいからおこなってください。目安は、走りながら一言二言の会話ができるぐらいの早さです。
このときの注意ポイントですが、周りの人を気にしないようにしましょう。周りの人を気にしてしまうとついついスピードが上がってしまい、オーバーワーク(やりすぎ)になりますので、自分のペースを守ることに集中しましょう。あくまで体を動かす下準備と認識してやってください。
全力でランニングしていい時期
ジョギングを1週間続けた結果、腰や膝、背中などに異変(痛み)がなければ全力で走ってもいいでしょう。まずは一日だけ走ってみて、体の異変がでないかどうか確認してください。
全力で走ってみて異変を感じたらすぐに休止してアイシングをしてください。そして2~3日後、またジョギングから開始してください。ランニングに戻す時期は、ジョギングをしてから1週間後ぐらいに設定しておいてください。この時期に無理をすると走り方がおかしくなり、腰以外の膝や背中の痛み、肩の痛みに繋がってしまうので無理は禁物です。
プールはジョギングができると同時に始める
ぎっくり腰の完治に近いこの期間から、プールでの運動は効果を発揮します。なぜなら、水中は陸上よりも抵抗が12倍かかるからです。また理論上、水中の運動は陸上の4分の1の速度で最大筋力に達するからです。要するに陸上よりも4倍の早さで筋肉が疲れるということです。
そこでプールでのリハビリは5分歩くことから始めて下さい。いつぐらいからどんな泳法ならいいのかというと、プールに入ってなんともなければ次の日からは泳ぐようにしていっても大丈夫です。このときバタフライや平泳ぎなど、浮き上がるような動きがある泳ぎ方は避けて、クロールや背泳ぎなどを選択するようにしてください。
ただ、プールでの運動には注意点が2つあります。
1つ目は夏場はまだいいのですが、冬場になると温水のプールとはいえ寒いです。寒くなると冷えにつながり、またぎっくり腰をしてしまう場合がありますので、体が冷えない程度にすることをお勧めします。
2つ目はプールからでる瞬間が一番怪我をしやすいということです。水中に入ると、360度水圧がかかり、圧迫されています。その圧迫から解放するとき過剰に筋肉の緊張が高くなるのでギクッと腰などを痛めやすくなります。
プールから出るときは階段などがあればゆっくりと上がるようにしてください。なければ、上半身がでたところで3秒ほどキープしてから外にでるようにしてもらうと怪我のリスクが少なくなります。
筋トレは最後の最後
トレーニングジムなどにいって筋肉トレーニング(筋トレ)をするのは最終形態です。なぜならそれだけ体に負荷がかかります。万全な状態でやらないと怪我をしにいくようなもんだからです。
筋トレも最初は軽い負荷から慣らしていき、だんだん重い物や負荷が強いトレーニングメニューに切り替えていくことをおすすめします。
まとめ
ぎっくり腰が起こったとき、最初は安静にするものの、運動は3日目からやることをお勧めします。理由は筋肉量を落としたくないからです。
筋肉が落ちると治った後のリハビリが本当にしんどくなり、老け込んでしまったり、仕事復帰が遅くなったりします。こうした理由から、千葉県八千代市のわかば整骨院ではぎっくり腰になってる人でもどんどん運動をするように指導しています。
また、運動の切り替えポイントは動いて痛くないことを目安にし、同じ運動を1〜2日ほど繰り返した後に次のステップに移りましょう。そうすると、ぎっくり腰を回復させるために運動は有効手段になります。
ただし、あくまで無理はしないでください。運動中に痛くなったらすぐに中止をしてアイシングをすることを心がけ、安静にした後に再び運動療法を継続してください。